第二弾~プロフィギュアスケーター   村上佳菜子さん~

第二弾~プロフィギュアスケーター   村上佳菜子さん~

「どれだけ苦しくても、 あきらめなければいつか叶う」

2014年ソチオリンピック・フィギュアスケート日本代表の村上佳菜子さん。オリンピック出場を勝ち取るまでの道のりは、その屈託のない明るい笑顔からは想像もつかないほど壮絶な苦悩と戦いの日々でした。

2017年4月に現役を引退し、新たな道を歩み始めた村上さん。これまでのスケート人生と希望に満ちたこれからの展望についてお話ししてくださいました。

五輪出場を目指して 自分を追い込んだ練習の日々

私は3歳からフィギュアスケートを始めましたが、オリンピックに行きたいと思ったのはすごく遅くて、バンクーバー(2010年)のときなんですよ。いつも身近にいた(浅田)真央ちゃんが、その舞台でたくさんの人を惹きつける演技をしている姿を観て――私も「憧れの先輩である真央ちゃんとあっこちゃん(鈴木明子さん)に少しでも近づきたい…絶対に一緒にオリンピックに行きたい!」と思ったんです。本当にその一心で、私はここまでやって来られたんだと思います。
ところが、ソチオリンピック(2014年)がかかっているグランプリシリーズで、中国の大会では4位、表彰台には上がれず。次のロシアの大会ではショートはミスをしてしまい最下位…。もう選ばれないんじゃないかってすごく焦っていました。がんばればがんばるほど、けがをしてしまったり、思うように滑れない。本当に苦しくてもどかしくて、ここから飛び降りたらどうなるのかな…と思ってしまうくらい、精神的にもすごく追い込まれていました。人生の中で一番つらい時期でしたね。
それでも必死に調整を重ねて、全日本大会では本当に奇跡的にショートもフリーもパーフェクトな演技をすることができて、総合2位。念願のオリンピック出場権を勝ち取ることができたんです。それだけを目標にがんばってきたので、言葉では表せないくらい…うれしかった。あきらめなければいつか叶うんだって、自分で実証できたことは、今後の人生にも活かしていける本当に貴重な経験になりました。
私の場合は、ずっと上り坂だったわけではなく波のあるスケート人生だったので、ほかの選手よりも手がかかった人間だと思うんです。それでも先生や家族、友達が見捨てずに最後まで応援して支えてくれたので、本当に感謝しています。今でも「どうしてる?」って気にかけてくれるので、本当に周りの人たちに救われてるなってつくづく感じます。

 

村上佳菜子さんコーポレート①

引退してより一層好きになった フィギュアスケートとは死ぬまで一緒

現役の選手ではなくなったことで、背負うものがなくなったこともとても大きいです。今改めて感じるのは、当時は「結果を出さなきゃいけない」ということが自分の中ですごく重荷になっていたんだな、ということ。多分普通のスポーツ選手と違うと思うんですけど、順位よりも「人の心に残る演技をする」というこだわりが自分の中にあったんです。自分はそういうものを一番に望んでいるけど、でもそれじゃだめなんだっていう葛藤があって。試合ではミスしたら終わりなんですよ。だからジャンプの前は、ジャンプのことしか考えずに飛びに行く。今はその重荷がなくなって、細かいところまで演技に集中できるようになったんです。フィギュアスケートの魅力って、技術もそうですけど、芸術もあるスポーツだと思うんですよ。今は音に合わせて長く回ったり短く回ったり、回転数を変えてみたり、伸び伸びと演技ができて楽しいです。ひとつひとつ細かい音までキャッチして表現できるのは、気持ちがリラックスしているからこそだと思いますね。

スケートリンクの上で踊っている自分が、ありのままの自分なんです。だからこの曲といえば、村上佳菜子だよねって言ってもらえるのが私にとっての達成感。今は歌詞を見ながら、どうやったら自分の気持ちが上手くフィットするかを考えて、自分でテーマや振り付けを考えたりもしているんですよ。自分が求めるスケートというものを、今は一番に重視できるようになって、滑っていてもすごく気持ちがいいです。引退してより一層フィギュアスケートが好きになりました。フィギュアスケートは私にとって“体のパーツの一部”です。骨だって一本でも抜けたらだめじゃないですか。私からフィギュアスケートを取ったら何も残らない、崩れてしまうくらい大切なもの。死ぬまで寄り添って生きていくと思います。

やっぱり私は表現することが好きなので、スケートのほかにもテレビや舞台などにももっと出演していきたいですし、スケートの練習着のデザインにも挑戦してみたい。もしかしたら合わないものもあるかもしれないけど、やってみないとわからない。フィギュアスケートの話じゃないですけど、あきらめなければきっと願いは叶うと思うんです。だから、とにかくやりたいことは一度はチャレンジしてみるということが、今後の私の目標です!

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